暮らしの中のまなび

子育ての中で“保育の目線”を持つとイライラが減った話

子育て中、ついイライラしてしまう…そんな毎日に「保育の目線」を取り入れるだけで少し心が軽くなるかも。保育士ママが実体験から伝える、イライラを減らす考え方。
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毎日の子育て。
かわいいけれど、正直イライラしてしまう瞬間もありますよね。

私も保育士として働いていながら、家ではつい感情的になってしまうことがあります。
「なんで言うこと聞いてくれないの?」「早くしてってば!」
そんな言葉が思わず出てしまって、寝かしつけのあとに自己嫌悪…。

でも、ある日ふと「保育の目線で見たらどう感じるかな?」と考えてみたんです。
すると、不思議とイライラが少し軽くなりました。

今日は、私が保育士として働く中で気づいた
“子育てを少しラクにしてくれた考え方”をお話しします。

「まず、子どもの気持ちを聞く」ことの大切さ

保育園では、どんなに「やだやだ」と言う子にも、
「何が嫌なのかな?」「うんうん、そうだよね。今あそびたかったんだね」と、
まず“気持ちを受け止める”ことを意識しています。

「じゃあこうしてみる?」「これはどうかな?」と提案すると、
少しずつ子どもも落ち着いていくんですよね。

でも家では、そうはいかないことも多いです。
朝の支度に追われていると、つい「早くして!」「もう時間ないから!」と
こちらが主導権を握ってしまう。

「保育ではできるのに、家庭ではできない」と感じることもありますが、
それは“母親”としての責任感があるから。

そんな自分を責めるよりも、
「あ、今ちょっと焦ってたな」と気づけるだけで十分だと思うようになりました。
完璧に受け止めようとしなくても、
“気づくこと”がすでに優しさの一歩なんだと思います。

「いたずら=成長のサイン」と捉える視点

もうひとつ、保育の現場で大切にしているのは、
子どもの“いたずら”を興味や発達の表れとして見ること。

たとえば——
絵本をびりっと破ってしまったら、「破っちゃダメ!」ではなく
「新聞紙びりびり遊びしようか」と提案。

柵に上ろうとしたら「危ない!」で終わらせず、
「体を動かしたいんだな」と感じて運動遊びを増やす。

ティッシュを大量に引き出すときも、
「なんでそんなことするの!」ではなく、
“引っ張る”“破る”という動作が楽しい時期なんだと気づけば、
スカーフや布でひっぱり遊びができるよう工夫できます。

家庭ではなかなかそこまでの余裕は持てませんが、
「なんでこんなことをするの?」の裏には
必ず“何かに興味を持っているサイン”がある。

そう思えるようになってから、
イライラの前に少し笑って見守れる瞬間が増えました。

それでもイライラしてしまう日もある

…とはいえ。
どんなに頭でわかっていても、うまくいかない日もあります。

保育園では冷静に対応できるのに、
自分の子となるとスイッチが入ってしまう。

私も何度もそういう日を経験してきました。
「保育士なのに」「わかってるのにできない」
そう落ち込んだ夜もあります。

でも今は、そういう日があってもいいと思っています。
“完璧な母親”より、“ちゃんと悩む母親”のほうが、
子どもにとってずっと安心できる存在だから。

できなかったことより、
「明日はちょっとだけ優しくできるかな」と思えたら、それで十分。

小さな気づきが、心の余裕を生む

「話を聞く」「いたずらを成長のサインと見る」
どちらも特別なことではありません。

でも、たったそれだけで、
子どもの行動の“見え方”がまったく変わってくるんです。

子どもを変えようとするより、
自分の“見方”を少し変えるだけで、
毎日の関わりがぐっとラクになる。

それが、私が保育の現場で学んで
母として救われた一番の気づきでした。

さいごに

子どもは毎日成長していて、
昨日できなかったことが今日できるようになる。

それは親にとっても同じで、
昨日よりちょっとだけ優しくなれる、
昨日より少し余裕を持てる——
そうやって、親も子も育っていくのかなと思います。